Bonjour〜!!
南仏(なんふつ)マルセイユ 在住のJAGAKOです!
バカンスのシーズン前から、フランスでは誰もが今年のバカンスはどこに行くか?
どう過ごすか?
など、会話がほとんどバカンスのネタばかりになります。(笑)
そんな、バカンスシーズンにおすすめな、フランス南東部「Ardèche(アルデッシュ県)」の山々に囲まれ、セーヌ川の恩恵を受ける静かな土地で発見された世界遺産を今回はご紹介します。
【基礎知識】中央高地の南東部アルデッシュ県とは?
「Ardèche(アルデッシュ)」は、フランスのオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域圏にある県で、フランス南東部に位置します。
パリから乗用車で約7時間、南仏マルセイユから約2時間半、リヨンから約2時間のマルセイユとリヨンの間にある、自然豊かで、バカンス時期になると多くの観光客が一気に増える自然豊かな場所です。
そして、別荘も多く都会からの移住者やキャンピングカーでも停泊でき、訪れやすいキャンプ場や短期・長期用宿泊施設なども充実し、カヌーを始め、様々なアクティビティ体験ができるので、夏のバカンスに人気があります。
【一番の人気スポット】「ヴァロン・ポン・ダルク」と世界遺産「ショーヴェ洞窟」とは?
以前、ご紹介した、
「Vallon Pont d’Arc(ヴァロン・ポン・ダルク)」は、アルデッシュ渓谷の入口にあり、フランスで最も美しいと言われる「Rivière Ardeche(アルデッシュ川)」に架かる橋と山々に囲まれた場所で、夏のバカンスシーズンになると、町の人口よりも多い観光客がたくさん訪れます。
60m以上の高さを誇る、天然のアーチ型「ヴァロン・ポン・ダルク」付近で発見された、世界最古級、約36,000年前の先史時代の洞窟壁画「Grotte Chauvet(ショーヴェ洞窟)」が有名です。
ただ、閉ざされた空間で眠り続けていた壁画が発見され、外気に触れ、急速な侵食が進んでしまったため、今では一部の研究者など以外は立ち入りが禁止されてしまいました。
でも、2014年に世界遺産に登録され翌年に、この洞窟を再現した「GROTTE CHAUVET2(グロット・ショヴェ 2)」が「ヴァロン・ポン・ダルク」から、車で約20分ほどの場所で一般公開されました。
今では、新たなスポットとして、多くの観光客が訪れています。
【人類最古の傑作世界遺産】世界最大の装飾洞窟のレプリカ「ショーヴェ洞窟2」の見どころとは?
「ヴァロン・ポン・ダルク」にある本物の洞窟「Grotte Chauve(ショーヴェ洞窟)」と、完全再現されたレプリカ洞窟は、区別するために「Grotte Chauvet 2(ショーヴェ洞窟2)」と名称が少し違うので要注意です!
そこで、疑問になる・・
前記事でも少し触れましたが、この洞窟には発見時、多くの壁画が描かれていました。
それも人類史上初の芸術家たちだったであろうと言われ、洞窟の奥深くで、石灰岩の壁に馬、ライオン、サイなどの動物たちが、走ったり、狩りをしたり、対決したりしている様子を時空間にとらえ、数々の傑作を生み出しました。
でも時は流れ、氷河期時代が訪れた事で、動植物すべての生き物が、石灰岩と粘土の盾壁の中で長い年月をかけて凍結し永い眠りについてしまいました。
それから約36,000年後、この巨大な自然の大聖堂化した洞窟は、何万年もの間、誰にも邪魔されずに放置されていましたが1994年12月18日、アルデシュ地方の「ヴァロン・ポン・ダルク」で、3人のアマチュア洞窟探検家によって発見されました。
長い間、閉ざされた空間で眠り続けていた壁画が外界と接触し、外気に触れた事で、急速な侵食が進んでしまったため、一部の研究者など以外の立ち入りを厳しく禁止し、別の場所に再現されたのが始まりです。
それは、この洞窟の発見は人類史上最も素晴らしい保存状態だったからです。
永い年月閉ざされていた事で、その当時の年代や生活様式が鮮明に分かる事と、とても壁画の保存状態が良い事、そして芸術作品の豪華さや豊富さという3つの特徴が非常に稀に組み合わさっている事で、現代の技術者と芸術家たちは、発見された「ショーヴェ洞窟」周辺に、元の洞窟の美術品と地質学的背景を再現するという、大きなプロジェクトが立ち上がり、2013年秋から2015年初めにかけて、5500万ユーロを投じて再現する事になりました。
でも、広大過ぎるオリジナルの洞窟内すべてを再現することは不可能であるため、最も注目すべき要素を特定し、オリジナルの3Dデジタル図面から床面積3,500m²、総面積8,200m²(床、壁、天井を含む)の人工洞窟を再現することに重点を置く事になり、見事その偉業を成し遂げる事ができました。
そして、この復元プロジェクトの成功を踏まえ、2014年6月にユネスコの世界遺産に登録されました。(2015年4月25日から一般公開)
世界遺産に登録された事で、この素晴らしい絵画や彫刻のコレクションは、現在では誰でも見ることができ、来場者は発見時の探検家と同じ感動を共有することができる様になりました。
洞窟内に入ると、石筍(せきじゅん)や鍾乳石(しょうにゅうせき※つらら石)に囲まれ、何千年も前に生存していた男性や女性、ホラアナグマが訪れた形跡が残る世界が広がっています。
石筍は、洞窟の天井の水滴から固体として現れた物質が床面に蓄積し、たけのこ状に伸びた洞窟生成物
数々の 作品は、光と影の相互作用や、陰影法や遠近法の巧みな習得によって命を吹き込まれています。
それぞれ異なる15種類に分類された(絶滅種を含む何百もの当時、生存していたであろう)動物たちは、顔料でペイントされたり、木炭で描かれたり、火打ち道具や指先で彫られたり、当時の絵を描く技術・技法を知る事ができます。
そこで、「ショーヴェ洞窟2」を見学するためのポイントをご紹介します!
●洞窟の中に展示されている27枚のパネルを発見してみよう!!
●92頭の動物が躍動的に動く姿で登場する長さ12メートルの記念碑的な「ライオン・パネル」を発見してみよう!!
●1000枚の絵の中には425体の動物が描かれています。ホラアナグマ、ウーリーサイ、マンモス、ワイルドキャットなど、絶滅種の動物を中心に、14種類もある前代未聞の動物図鑑を発見してみよう!!
・ライオンのフレスコ画
・遠近法を用いたサイの絵画
●旧石器時代の頭頂部には、豹やフクロウ、女性の下半身などのユニークな表現を発見してみよう!!
これほど大規模な空間演出技術を用いた真のイノベーションの場はなかなかありません。
だから、実際に自分の肌で感じ、多くの発見をしてみてください!!
【セルフガイドツアー方法】日本人でも日本語で難なく楽しめる最新システムとは?
世界遺産に認定されると世界中から観光客が訪れる様になります。
洞窟内を約1地時間程かけてツアー見学する事もできます。
でも、フランス語、英語、ドイツ語、オランダ語対応で日本語はありません。
他国の世界遺産を見物する場合にぶち当たる壁に、言葉の壁があります。
せっかくの世界遺産巡り!
行ってきたよ〜!世界遺産!!
でも、よく分かんなかったけど・・・
っと、言うのはあまりにも勿体無い!
多くの観光地では、その観光に訪れる人のために、ツアー以外に貸し出し用のオーディオシステムが搭載されている場合が多いのですが、最近の世界遺産ではもっと効率の良い方法がとられています。
それが、一人一台は持っているスマホとスマホアプリを利用したセルフガイドツアー方法です。
海外に住んでいると、日本よりもネット環境、AI技術やシステムがどんどん進んでいる事に驚かされる事が多々あります。
そんな、体験が実際にできる世界遺産「ショーヴェ洞窟2」!!
建物の中に入る前に何度もスタッフの方から、勧められた専用アプリのダウンロード。
この建物内は無料WiFiが利用できるため、スマホさえ持っていれば簡単にダウンロードする事が可能で、手軽に洞窟のセルフガイドツアーを体験できます。
ただ、注意点として、イヤホンがない場合は音声が流れる部分を耳に当てて聞かないといけないため、携帯用イヤホンを持参して訪れる事を強くお勧めします。
私たちはそんな事を知らなかったため、スマホを耳に当て見学内容に沿って、展示物の説明、歴史などをずっと聞いていました。
《セルフガイドツアーは10ヶ国語に対応》
《アプリもシンプルかつ使いやすく初心者でも◎》
ちなみに、言語対応は、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、オランダ語、ロシア語、ポルトガル語、英語、中国語、そして、日本語です。
そして、選んだ言語によって、プレゼンテーションを見ながら待ち時間を潰す事もできます。
ただ、建物内の内容に限り、守秘義務があるためなのか?
来場者でしか聞く事が出来ない様になっています。
それには、毎日変わるパスワードが必須になります。
この表示がスマホの画面上に現れたら、受付に提示されていたパスワードを入力します。
ちなみに、会場に入る前にもパスワードは張り出されているので、入口でわざわざ確認しておかなくても大丈夫です!
現地のツアー案内の方にお願いする事もできますが、自分のペースでゆっくり何度も聞く事ができるのはかなり便利です。
利用してみて思ったのは、やっぱり現地の言葉ではなく、自国の言葉での説明の方が理解が早いので、私はとても良いサービスだと思いました。
【メイン会場以外の楽しみ方】「ショーヴェ洞窟2」内の見学以外に楽しめる場所とは?
私たちは事前に入場券をサイトから購入しておいたので、長蛇の列に並ばず入場する事が出来ましたが、今回は毎回どこに行くにもギリギリ男の夫以外に、時間に厳しい義理母や夫のゴットマザーもいたので、早く着いてしまったため、結局指定の入場できる時間まで、時間を潰す事になりました。
この会場は、レプリカとはいえ、かなりの再現度を誇るメイン会場の洞窟以外にも、お決まりのレストランやお土産屋を始め「La Galerie de l’Aurignacien(オーリニャック文化ギャラリー)」など、メインゲート(駐車場)から一番奥にある洞窟までの道のりの間に様々な施設やアクティビティなどがあります。
世界遺産に登録されると、世界中から多くの観光客が訪れるため、1日滞在しても楽しめる工夫がありました。
「La Galerie de l’Aurignacien(オーリニャック文化ギャラリー)」では、約36,000年前にこの地に住んでいた人々の生活環境や動植物など、先史時代の世界を探索する事ができます。
このギャラリーは、650m²の常設展示スペースがあり、65席の映画館1館と実物大のウーリーサイ、マンモス、草原のバイソンなど、復元された6つの大型動物、5人の復元された人間、パノラミックな壁画フレスコ画1枚があります。(2021年現在)
38台の大型インタラクティブなタッチスクリーン、30のマルチメディアがあり、様々な当時の生活環境などを知る事ができます。
そして、時代背景を象徴する数々の道具などがショーケースに並べられ展示されています。
彼らはどこから来たのか?
彼らは何をしていたのか?
彼らはどのようにして絵を描いたのか?
どのような絵の技術を使ったのか?
どのようなテーマを探求していたのか?
彼らは芸術にどんな意味を与えたのか?
フランスで唯一の、そして世界でも数少ない場所のひとつから、数々の疑問を見つける事ができます。
その他、野外のアクティビティもあります。
メイン会場の洞窟だけに要点を絞って見学したい場合は、半日もあれば十分な観光スポットです!!
●住所: Grotte Chauvet 2 Ardèche
Plateau du Razal 07150 Vallon Pont d’Arc
●営業時間:9:00〜17:00
●電話:+33(0)4 75 94 39 40
●入場料:洞窟レプリカの訪問
【大人】17€ (オフシーズンは15€ )/【10〜17歳まで】8.50€/【10歳未満のお子様】無料
●毎週日曜日10:00〜11:00のガイド付きツアー:入場料+5€(フランス語、英語、ドイツ語、オランダ語対応)
●洞窟のセルフガイドツアー:無料(フランス語、英語、ドイツ語、オランダ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語、中国語、日本語対応)
※イヤホン持参
※事前に専用サイトより入場券を購入した場合、訪問予定時刻の30分前までにフロントに到着してください
※見学時間を確保するために閉店時間の2時間半前に到着する様にご来場ください
※洞窟の中の温度は約16℃です。快適に過ごすために、ジャケットやセーター持参がおすすめ
あとがき
毎年、夫のゴットマザーの別荘にお邪魔になる度、フランス人のゆっくり長期で楽しむバカンスに癒されると同時に、フランス人のカルチャーに触れ、日本では社畜として働いていたことを実感してしまいます。
フランスには、まだまだ多くの世界遺産があります。
少しずつですが、そんな世界遺産をご紹介していきたいと思います。
最後まで、ご観覧頂きありがとうございました。