Bonjour〜!
フランス(ヨーロッパ)では、3月頃から、街の至る所に登場する風物詩的なモノがあります。
日本の風物詩は卒業シーズンですよね。
そして、春の訪れと共に、4月と言ったら日本では新学期・入園・入学式シーズン。
でも、ヨーロッパの春のバカンスの定番は「Pâques(パック)」の季節です。
今日はこの「Pâques(パック)」についてお話したいと思います。
PAQUES(パック)とは何?
フランスで「Pâques(パック)」とはイエス・キリストの復活を祝う「復活祭」と呼ばれる国民の祝日で、春を告げる日でもあります。
そしてフランスでは、
「Vacances de Pâques(ヴァカンス・ドゥ・パック)」と、いうバカンスで復活祭前後の2週間はお休み(日本でいう春休み)になるので、子供には嬉しいですが、親にとったらまた休みかよ・・・。っという気持ちです。(苦笑)
ちなみに、
「Pâques(パック)/復活祭」の祝祭日は移動祝祭日とも言われ毎年日にちが変わります。
※例:2019年4月21日(日)/2020年4月12日(日)など、大きく日にちが変わる場合もあり
その復活祭翌日の月曜日は「Lundi de Pâques(ランディ・ドゥ・パック)復活祭の月曜日」と言い大人もお休みなので、街の中は営業しているお店も減ります。
歴史的には「春分後、最初の満月の次の日曜日」と言われています。
PAQUES(パック)と言ったら何が象徴?
フランスへ来て今までなんとなく西洋の行事が日本ではいつの間にか大々的なイベントになっているのですんなりフランスの行事に適応してしまう私ですが、元々クリスチャンでも何でもない私にとったら、西洋のお祭り事もいつしか商売にして日本独特な感覚で発展する日本の文化に戸惑う時があります。(その代表が年末のノエル)
外国人から見たら不思議な日本の商売事情に違和感なく、そして本当の意味さえも知らず、ただ、ただ、受け入れているだけだった事を知り、旦那家族のおかげでヨーロッパの文化や習慣を知るきっかけにもなった本当の「復活祭」。
毎年、カトリックの大切な祝祭日を経験して意味を深く知る事が出来る大切な時間でもあります。
そして、
宗教色の薄い日本だからこそ定着され続けているクリスマスとバレンタインとハロウィン。
それぞれ、
キーワードになるモノがあるのですが、
「パック」でも欠かせないものがあります。
それが、
今では日本でもケーキ屋さんやデパートなどで「イースターを祝おう!!」っと、
卵型のチョコレートやケーキなどを見かける様になってきたので、知っている方もいるかもしれないですね。
ちなみにwikipediaより紹介されている文から抜粋すると、
見た目には動かない卵から新しい生命が生まれ出ることから、
死と復活を象徴しているとされる。
引用元:復活祭(2017年5月1日 (月) 10:25 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』wikipedia
っと、いう事から「卵」がシンボルなった模様。
でも、実物の「卵」よりもいつしか卵や鶏をモチーフにしたチョコレートやケーキが、
「パック」=卵型チョコレートを確立。
大量に販売され、その消費の凄さと言ったら・・・。
っという程定番の光景です。
そして、もう一つお馴染みの光景があります。
毎年小さい子供が多い場合はお家のお庭やお部屋に卵型ショコラを、
探してごらん!
っと子供達に言って、いろいろなところに隠された卵型ショコラを一生懸命子供たちが探したりします。
私たち家族は子供が少ないので、復活祭当日は、大人も子供も人数分「Pâtisserie(パティスリー/洋菓子店)」か「Chocolatier(ショコラティエ/チョコレート専門店)」のお店で旦那が購入するのが毎年の役まわりです。
っと、いう事で、フランスへ来てからショコラは、バレンタインよりもこの「復活祭」で大量に食す事が多くなりました。
PAQUES(パック)の定番料理とは?
毎年の事ですがノエル並みにいろいろと準備が多いフランスの「Pâques(パック)/復活祭」。
っと、言いつつ・・・義理母は家族同然の大親友と準備してくれます。
そして、前菜やデザート、メインの付け合わせは変わっても絶対に変わらないのがメイン料理の「仔羊(こひつじ)」!!
その中でもフランス語で「Gigot d’agneau(ジゴ・ダニョー)」という「仔羊のモモ肉」!!
1年に一回必ず、フランスの「復活祭」では「仔羊のモモ肉」を食すのが定番です。
実は、
同じヨーロッパ圏でも国や地域によっては伝統料理が違ってきます。
だから、”フランスの〜”を強調したのですが、各家庭のルーツ次第で「復活祭」の定番料理が違ってくるかもしれないですね。
そして、典型的日本人の私には全然馴染みのなかった「仔羊」は、
っという初体験からいつしか癖のある食材もどうしたら美味しく頂ける料理に変わるのかを教えてもらい、今では大好きな料理になりました。
これは、調理方法や味付け、そして食材の鮮度など自体にこだわり、目利きが抜群に上手いフレンチママン達のおかげでもあります。
是非、春の美味しいワインと旬の食材、
そして春の訪れを感じながら共に食して欲しい「復活祭」料理です。
↓↓↓こちらがメインの「仔羊のモモ肉」!!
すごく大きくて食べ応え抜群です!!
ちなみに、シャンパンを開けておつまみを頂き(アペロの時間)、メインの前にフォアグラを食べるのが私たち家族は定番です。
《前菜例》
《メイン例》
そして、デザートの前にフロマージュ(チーズ)とサラダを頂いてようやくデザートです。
もう、メイン料理を食べる前にお腹がいっぱいに陥るフランスのお食事会。
さてさて、
今年の「復活祭」はどんなご馳走が待っている事やら・・・。
楽しみです。
あとがき
毎年、4月の「Pâques(パック)/復活祭」と12月の「Noël(ノエル)/クリスマス」は、
ヨーロッパでは2大イベントとして昔から子供に受け継がれる大切なイベントです。
日本に住んでいるとちゃんとした意味も分からず、西洋のイベントも日本のイベントもお祝いし、日々何かしらのイベントに便乗するのが当たり前でしたが、
本当の歴史とは何か?
その本当のヨーロッパ伝来の意味を知り、家族で集まる祝祭日は日々働きづくめで働く日本社会とは全く違う世界があります。
そして、海外で生活する事により、日本の伝統行事の奥深さ、大切さも改めて知り、2つの文化・習慣を学ぶ我が息子にも日本語補習校を通じて、私の故郷、島国日本の事を知って欲しい。
っと、つくづく思います。
それは、
私自身が子供の成長と共に昔の自分を思い出すからかもしれません。
毎年、遠く離れて暮らしていた祖母から届く地元の名産品は、今でも記憶に残っています。
鹿児島のおばぁの手作りよもぎ餅と芋飴の独特の甘さ。
もう、他界してしまったので頂く事はできませんが、また鹿児島行った時はぜひ食べたい故郷の味です。
きっと、息子にはフレンチおばあちゃんが作ってくれた「仔羊」が故郷の味になるのかもしれないですね。
あなたの故郷の味は何ですか?
大人になっても意外に忘れないものです。
最後に、
少しでもヨーロッパの文化を知って、
この時期限定の卵型ショコラを食して頂ければ幸いです。