【国際結婚の手引書1】 国際結婚のはじめ方〜フランス式「PACS(パックス)」とは?〜

Bonjour〜!

南仏(なんふつ)在住のJAGAKOです!!

先週は同じアパルトマンの人たちとフランス式BBQへお呼ばれしたり、南仏版アホの坂田師匠事、曲者おっちゃんのお家へお邪魔したり・・・。

あっという間の週末でしたが、その中で、同じアパルトマン内で結構な頻度で国際結婚、同棲しているパートナー同士、または、親のルーツが外国の人が多い事に気づきました。

と、いう事で、

今回は国際結婚の結婚観についてお話しします。

今時、「国際結婚、結婚観」と、いうキーワードでネット検索すればいろいろな国の結婚観を調べる事ができますが、

最終的に行き着く理解しなければいけない問題は、

●「価値観の違い」

●「金銭感覚」

●「食文化や生活習慣」

●「言葉の壁」

など、日本も海外もあまり変わらない。

いろいろな支障・障害を受け入れて結婚に至っても、

結局は離婚を選ぶ道がお互いにも良いし、もし子供がいる場合も子供にも良い道。

っと、なるパターンが多い国際離婚の高さ。

日本人と離婚するよりもいろいろと面倒くさい国際結婚と国際離婚。

特に、子供がいる場合での離婚はお互いに新しい生活をし始めても(再婚等)子供がいる限りは前夫&妻とのお金の問題や子供間の関係で縁は完全に切れないのが国際離婚後の現実だったりします。

初っ端から離婚の事から切り出しましたが、真剣に国際結婚を考える方にお届けしたい。

そして、国際結婚の実態を知ってほしい。

JAGAKO

本当にその道を選んでも大丈夫??

ハーフの子供が欲しいだけならちょっと、待って!!

本当に結婚する前に考えて欲しい。

国際結婚について。

実は、フランスは昔と今では結婚に関する価値観がすごく変わってきています。

お互いのために新しい道を選ばなければいけなくなった時を視野に入れながら付き合い「結婚」に至るフランス人の結婚観はどうなのか?

アモールの国のはずが、意外に将来を見据えた事を前提に考える今の若い世代のフランス人。

すべてが、すべてでは無いけれど、離婚率の高いフランスでは暗黙の了解な事が実際にあります。

そんな時、パートナーであるあなたは相手の考えを受け入れられますか?

【事前チェック項目】海外挙式を成功させるための準備・アイデア・ヒント 〜フランス版〜

2020年7月8日

 

日本にはない独特な法律がある。それがPACS(パックス)婚

フランスには同棲だけしている事実婚、正式な「結婚」以外に、PACS婚という制度があります。

フランス人は個人主義的主観を持っている国です。

そして、移民・難民が多く国際結婚も多い。

フランス人同士でも離婚率が高い国なので、

今の若い世代は特に結婚する=一緒に家庭を築く、家族を養い、子育てする。

っという価値観が人それぞれ違うように思います。

特に、外国人との結婚を慎重に考え、最終的には「結婚」っという手続きを踏むのは外国人パートナーの「滞在許可証」のためにする。

っと、いう目的が実は一番多く、

JAGAKO

愛があって、一緒にいたくて・・・もう、どうなってもいい!!

っという事だけだったら事実婚(同棲だけ)で十分です。

でも、国際結婚をする際に外国人パートナーが長く異国の地で生活するのには必ず「滞在許可証」が必要になります。

フランスは多重国籍を認めていますが、日本は多重国籍を認めていません。

もし、自国の国籍を離脱して相手の国籍を取得すれば、日本へ帰国した際は外国人扱いになります。

だから、自国の国籍を維持したまま、外国で「滞在許可証」を取得するのが一般的です。

その際、簡単に長期間、外国へ滞在する際は必ず何かしらの「滞在許可証」が必要になります。

例えば、日本在住でパートナーが外国人籍で、日本式で国際結婚をする場合は正式な「結婚」が多いのに対して、

フランスに住むために、フランス式で「結婚」か・・・っと、考えた時、

特に相手の「滞在許可証」のためにこれからの事を考えたら、一番手っ取り早いのがPACS(パックス)婚だと思います。

民事連帯契約(みんじれんたいけいやく)は、1999年にフランスの民法改正により認められることになった「同性または異性の成人2名による、共同生活を結ぶために締結される契約」である(フランス民法第515-1条)。

通称PACS(パックス、仏:Pacte Civil de Solidarité)。

連帯市民協約と訳すこともある。

引用元:民事連帯契約(最終更新 2016年10月12日 (水) 21:13  UTCの版)『ウィキペディア日本語版』wikipedia

この「PACS(パックス)」共同生活を営む人が対象で元々は、同性愛者のための法的婚姻関係になるカップルと同等の権利を認め公証する制度として生まれました。

いろいろな愛のカタチがあります。

前回の内容はこちら

フランスあるある 〜◯◯愛のカタチ〜

2017年8月25日

でも、今では「結婚」にこだわらない異性同士のカップルが多いので、

何かしらの理由で「結婚」したくない・できない。

そんな、異性愛のカップルが、同性カップルと同様、「パックス」を利用する人が本当に多いです。

この「パックス」は「結婚」するよりも手続き上、「結婚」するのも「離婚」するのも簡単です。

フランスで「離婚」する時は、日本と違って協議離婚が出来ないので、弁護士を雇い、何年もかけてようやく離婚が成立します。

「離婚」しても子供がいる場合、親権は両方に付与されるのでどちらの親が、

「子供に会いたい」または子供が「パパ(ママ)に会いたい」っと言えばすぐに会える場所に住んでいなければいけません。

もし、子供を連れて母国に帰ってしまうと「子供の連れ去り」っと、言われ元家族だろうと通報されたら警察に捕まる場合も・・・。

だから、正式に「離婚」をする際はとても時間がかかります。

こんな面倒な事を避けるためにも、本当に共同生活が出来る相手なのか?

そこを見極めるまで相手がフランス人同士だろうと、

外国人だろうと「パックス」を選ぶ人が多いのが今のフランスの結婚観です。

それでは、なぜ事実婚(共同生活だけする)でも無く、

結婚でも無く「パックス」なのか?

 

PACS(パックス)でも結婚同様の節税が出来る

私の旦那の多くはみんな独身貴族でもなければ、「結婚」もしていません。

誰かしら同棲しているパートナーが存在し、子供までいる場合が多いです。

でも、「結婚」までいかず、みんな「パックス」をしている人ばかりです。

そこで「パックス」に至った経緯を聞く事が多いのですが、

まずは、子供がいる場合は「パックス」婚か「結婚」を勧められます。

私たちも子供が生まれ、事実婚(共同生活だけする)から正式に「結婚」したのは昨年。

息子は来月でもう4歳になります。

だから、私が来仏し、子供が産まれた時、何度も

フランス人A

とりあえず、

PACSした方がいいよ〜!!

っと、周りのフランス人や日本人のお友達から釘を刺されました。

それはどうしてか?

フランスは税金が高い事で有名です。

日本が近年、

消費税率が5%から8%に上がって日常生活で物を買う時に、消費税が上がった事に対して、さほど違和感を感じな無かったとしても、

フランスの様に消費税率が約20%に上がると断然どんな商品でも高く感じます。

いや、生活を圧迫します。

でも、フランスはこの税金が高い代わりにいろいろな恩恵があるのも事実です。

例えば、社会保障天国と言われるフランスですが、住んでいるとその理由を感じる事が多いです。

日本同様、基本的には医療費は3割負担ですが、

フランスにはフランスの独特の保険制度があるので何かしら病気をしても、

ほぼ無料です。※一部例外あり

私もフランスで息子を出産しましたが、

日本だとお金がかかる出生前診断の一種「羊水検査」も無痛分娩も全て無料。

私の場合は出産直後、問題が起きすぐに緊急病棟に入ったのですが、

その治療費も入院費も無料。

その後の骨盤底筋などのケアも全て無料。

だから、医療保険、がん保険などの保険会社が極端に少ないし、

ほとんどの人が利用しないので高額な医療保険に加入する日本人を

フランス人A

えっつ!?そうなの?

可愛そうだね・・・。

っと思っているフランス人が実は多いです。

また、仕事をして退職した時も次の就職が決まるまでかなり手厚い社会保障制度があります。

それも、雇用形態が正社員だけでは無くアルバイトだろうと。

今回はこの制度についてお話しすると長くなるので割愛しますが、

税金が高い代わりにいろいろな政策が実行されています。

そして、何よりも生活の基盤である住宅に関しても、

家族が多ければ多い程、広い部屋に住む場合、国から保証される金額も多いし、

所得税(impôt sur le revenu) や住民税(taxe d’habitation)などの税金も事実婚よりも断然安くなります。

それは、扶養している家族があるのとないのとでは出て行くお金が違うので、

少しでも生活を維持しやすいように考えた場合、

事実婚でいるよりも「パックス」を考えるのが自然な流れなのです。

旦那の友達も多くが子供が生まれて、

とりあえず「パックス」を選んだ人。

または、一軒家やアパルトマンを購入するために共同契約をした方が銀行からの融資が下りやすい&希望の大きさの住宅が購入できるから。

っと、理由は人それぞれありますが、フランス人が声を揃えて

JAGAKO

なぜ?「PACS」をしたのか?

と、いう問いに返ってくる言葉が、

フランス人A

税金のため

という事が第一に言われる内容だったりします。

そして、パートナーが外国人の場合は、

フランス人B

滞在許可証のため!!

なのだと。

「結婚」と同等な権利が得られるのであれば、堅苦しい「結婚」への憧れは薄れて行くのだと思います。

補足

日本には「PACS(パックス)」の様な制度はありません。

だから、日本の両親には理解してもらうのに時間がかかると思いますが、

メリット的には

●名前が変わらない事(旧姓のまま)

「PACS」をフランスで解消(離別)しても日本ではバツが付かない

事でしょうか。

 

実際に「PACS(パックス)」と「結婚」どちらを選ぶ?

実は、私が住む南仏プロヴァンスに住んでいるお友達のご家族は「結婚」を選んでいる場合が多いです。

JAGAKO

それはどうしてか?

私の周りは日仏家庭で旦那さんがフランス人の場合が多いです。

人それぞれ家族のカタチがあるので、これが普通。っという断言は出来ませんが、

いや、思ってはいけないのかもしれませんが・・・

旦那さん(又は奥さん)がしっかりとした職に就いている人が多い。

っと、いう事が一番の共通点です。

贅沢をしなければ奥さんが働いていなくても旦那さんの給料でなんとか家族みんな生活が出来る。

っと、いう事が一番多い様に思います。

国際結婚の壁とも言えるのが特に失業率が高いフランスでは、

自国民ですら定職に就き、良い給料を得るのが難しいのに、

外国人が定職に就き、フランス人と同じ給料を得る事はさらに難しいです。

それが、小さな子供がいる場合は小学校を卒業するまで学校の行き・帰りの送り迎えが親の義務なので、

親が出来ない場合は誰かしら家族(祖父母)が迎えに行ったり、

いない場合はお金を支払ってベビーシッターに行ってもらったり・・・。

子供がある程度成長するまでは働きに出てもお金がとてもかかり、

子供の養育費に消えてしまう・・・

特に公立校ではなく私立校に通わせる場合は家計を圧迫する場合も出てきます。

日本よりも学歴社会で格差があるフランスでは最低賃金(SMIC)しか頂けない場合も多いです。

だから、男女問わず働かなければいけない環境なので夫婦共働きが普通です。

でも、国際結婚の場合はそれが容易ではない。

だから、家族全員を養うだけの稼ぎがあるのか?ないのか?

旦那の友達も旦那が働いていない。

生活保護をもらっている。

でも、パートナーが一人で稼いでいる。

っと、いうパターンがフランス人同士でどちらか一方がなかなか定職に就けない人は多かったりします。

だから「結婚」を選ばない。っという選択肢に至るのもすっごく理解できます。

 

「PACS(パックス)」から「結婚」へステップアップするのはどんな時?

では、事実婚や「PACS(パックス)」から「結婚」へのステップアップへ進むカップルの共通点をあげるとどういうところか?

①生活をする上で一定の給料が得られる様になった時。

・・・定職につけた時。

②共同生活上で将来の生活水準が見えてきた時。

・・・税金の支払い、子供の事、財産に関する事などが明確になってきた時。

③本当にこの人と一生、一緒に居たいと思った時。

・・・本当に好きで、好きで、一生大切にしたい存在だと誓える時。

 

大きく、まとめるとこの3つの項目がきっかけで「結婚」へステップアップする事が多い様に思います。

それは、フランス人の性格だと思うのですが、フランス人は男性でも女性でも倹約家です。

マルシェやスーパーに行けば男女問わず買い物リストを片手に買い物をしている人を多く見ます。

そして、支払い時に予算がオーバーしてしまった場合はためらいも無く買うのを諦め、近くの棚に置き去りにされたり、レジのスタッフに返す場面も多いです。

そんなフランス人。

18歳以上になればもう、大人と見なされ、実家から近い場所にアパルトマンを借り、子供は親のいる家から一人立ちするのがとても早いです。

そして、自分で生活を維持していくためにはどうするべきか?

を、良く理解している若者が多いです。

フランスでは日本の様に会社員であれば、会社が確定申告をしてくれる。っと、いう事が普通ではありません。

だから、日本人労働者は意外にハッキリとした税金が年間どれだけ、どういう風に支払われているのか把握出来ていない場合が多いですが、フランスでは誰でも所得がある限り自分たちで毎年確定申告をします。

だから、どれだけ年間、各税金が支払われているのか?

自分で家賃を支払い、電気、水道、光熱費を支払い、その他いろいろな支払いをして、余ったお金はいくらで、月の生活費はいくら必要なのか?

バカンスにはいくらまで使えるのか?など、

そんな事を若いうちからしっかりと計算する事で、

JAGAKO

倹約家なフランス人が生まれるのか!

っと感心します。

それから、もう一つフランスに来て感心した事があるのですが、

今年歴代で一番若いフランス大統領エマニュエル・マクロン氏に政権が変わりましたが、

政権が変わる度に各制度が新しく変わったりするので、政治に関しても関心がある若者がとても多いです。

日本の若者は選挙権があっても選挙すら行かない事が多い中、(と、思っているのは私だけかも・・・)フランスは選挙権が与えられた18歳から、真剣に政治について議論する事にビックリします。

そして、日本の首相を聞かれ、

JAGAKO

えっつ!?

誰だっけ?

っとコロコロ変わる日本の政権に関心のない私はとても恥ずかしい思いをする事が多いです。

それだけ、フランスは若いうちから大人的な考えを持っている人が多いです。

だから、「結婚」っというカタチにこだわらない若い世代は一緒にいたい。同棲する。

もし、お互いの気持ちがなくなった時、後腐れ無く、いつさよならしても良いように「PACS(パックス)」を選ぶ場合が多いのだと思います。

 

これから国際結婚をしたい人へ

最後に、今は日本に住んでいても、外国人と知り合う事が多くなりました。

海外に出れば現地の人と仲良くなりそれがいつしか恋から愛に変わり、家族にステップアップしていきます。

そんな中、私が思う国際結婚観で大切なのは価値観は大前提ですが一番は、

JAGAKO

お互いの価値観を共有できるのか?

だと、思います。

人種も違えば、育ってきた環境も食生活も違う。

だから、価値観なんて違って当たり前。

特に男女間の価値観なんて国を問わず違って当たり前。

でも、お互いにその違った価値観を理解出来るのか?

お互いに歩み寄れるのか?

例えば、

買い物のモノに対する価値観もそうだし、子供がいれば子供に対する教育の仕方や習慣の価値観も違います。

私たちは出会って13年目。

子供が生まれて(もう少しで)4年目。

結婚して2年目に突入。

この間、何度も意見が食い違って喧嘩して、お互いの意見を尊重し、妥協して今があります。

正式に結婚する前に何度も旦那に問いた事・・・

それは、

JAGAKO

この先、どんなに面倒くさい事が起きても逃げ出さないか?

本当に私たち家族を守れるのか?

っと、いう事。

国際結婚って、本当に面倒くさい。

一番の難関は「滞在許可証」を得るための手続き上に必要な書類集めと申請料金。

お互いに違う国の生まれならば、日本(故郷)へ帰国する際のお金問題。

同国のパートナーよりも面倒くさいハードルが沢山ある。

JAGAKO

それを乗り越えられるか?

そして、何より国際結婚を長く続けられる人の特徴は将来自立できる女か? or 男か?

ある程度のお金がなければ生活して行くのは日本でも海外でも難しいです。

ちゃんと定職に就き、一定の収入があり、生活して行けるだけの力量がなければ国際結婚は難しいです。

日本と違って子供のためにお金を何百万円も貯め、支援してくれる両親はフランスでは稀です。

成人すれば自分の力で生きていける様に小さい時から教育されるフランスは、

相手に依存せず、頼ってばかりではなく、自活出来る程の生活水準を得る事が出来る大人なのか?

そこが一番重要になってきます。

国際恋愛&結婚のデメリットをメリットに変えられるか?

何かしら問題があっても一緒に乗り越える事が出来る相手なのか?

ちゃんと話し合いができ、お互いに尊重し合える相手なのか?

私が、外国人の旦那と出会い感じ、思い、これからの事を考え導き出した事で考え方は十人十色です。

あなた色に染まり、自分も染まれる人を見つけられるといいですね。

 

次回は、国際結婚の中でもフランスで「フランス式で結婚式を挙げる」という事についてお話しします。




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ABOUTこの記事をかいた人

日本では広告代理店でバリバリ雑誌の企画営業を担当。 海外に出国して戻ってきた時の再就職のためにデザインも出来る営業マンを目指し会社を退社後、デザインの専門学校で芸大時代には身につかなかった基礎を身につける。 思い描いていた日本の暮らしは叶わずフランスで子育て真っ最中。 日本へ帰国した時の楽しみは、会社員時代にお世話になった人達のお店へ出かけるのが密かな趣味。