Bonjour〜!!
南仏(なんふつ)在住のJAGAKOです。
先日、フランスに住む子供の過ごし方の中で、学校によって宿題の量が違う事などをご紹介したのですが、新型コロナウイルスの影響で15日間の外出禁止令が政府から発令され、これからの社会情勢に不安を抱く矢先に、さらなる厳しい措置や外出禁止令が長引く事が決まり、フランスは春休みと重なるため、さらに長期のお休みになる・・・
だから、息子の学校は早々と1ヶ月以上の休校を決定した様で、担任の先生から自宅でおこなう宿題がさらに追加されました。
その中で、フランス語を習う多くの子供達が利用するオンライン学習に役立つサイトをいくつか教えてもらいました。
そこで今回は、
フランス語を習う子供やフランス語初心者におすすめな学習支援サービスの一部をご紹介します。
まずはじめに・・・フランスの小学校とは?
息子はちょうど、CP(セーペー/日本の小学1年生)から、本格的に読み書きが始まりました。
実は、日本の小学1年生の様に、国語=「フランス語」という科目はありません。
息子の学校では「poésie(詩)」の暗記から始まり(意味はあまり分かっていない状態からスタート)、
Alphabet français(アルファベ・フランセ)の「orthographe(つづり)」、「vocabulaire(語彙)」、「conjugaison(動詞の活用)」、「grammaire(文法)」、「lecture(読解)」を教科書と、先生が用意する紙(プリント)を中心に1年間学んでいきます。
特に息子の学校は基本中の基本でもある大文字・小文字の「orthographe(つづり)※La cursive(筆記体)」の宿題が多く、最終的には、与えられた課題の文章が書く事ができ、読める様になるのが(CPの)最終目標なのだとか。
フランスでは入学した初日から宿題が提出されます。
そして、普段の生活でも毎日出される宿題を必ず親が確認し(完了のサインをしなければいけない)怠ると次の日、授業でチェックされた時、子供が答えられないと、親にも影響が及ぶので、各家庭内でしっかり子供と向き合っているのかが分かってしまい、子供がなかなか授業に追いつけなくなると、両親に連絡が入ります。
そんな、息子の学校で使われる、教科書とは別で、担任の先生が独自で、子供のクラスに合わせた問題集などを見つけてきます。
その元になっていて、尚且つ、誰でも簡単に取得する事ができる嬉しい無料のオンライン学習サイトが沢山あります。
実際にフランスの教育現場で使われ、自主学習にも役に立つサイトなので、いくつかまとめてみました。
●Première année(小学1年生 ) : cours préparatoire(準備コース)通称「CP」 ・・・対象年齢6〜7歳
●Deuxième année(小学2年生) : cours élémentaire 1re année(初級コース1年) 通称「CE1」・・・対象年齢7〜8歳
●Troisième année(小学3年生) : cours élémentaire 2e année(小学2年)通称「CE2 」 ・・・対象年齢8〜9歳
●Cycle III : cycle de consolidation Première année(小学4年生) : cours moyen 1re année (通常コース1年)通称「CM1」・・・対象年齢9〜10歳
●Deuxième année(小学5年生) : cours moyen 2e année ou(通常コース2年)通称「CM2」・・・対象年齢10〜11歳
フランスの小学校は5年生まで。その後は中学生(4年間)
※日本の小学6年生をフランス(中学1年生)では「La troisième année du cycle III se fait au collège en 6e(対象年齢11〜12歳)」
教育現場の教育者がおすすめする「Lumni」
「Lumni(ルムニ)」は、幼稚園から小学生を対象にした、教育サービスを提供しています。
元々、フランスの教育テレビが基盤にあり、教育の専門家がコンテンツ作りに介入しているので、子供達に分かりやすい内容で構成してあるのが特長です。
学習支援サービスの中でも、多くの基礎を身につける事ができるため、実際の教育現場に立つ教師に絶大な支持を得ています。
外出禁止令発動の2週目(3月23日月曜日)から、 テレビチャンネル「France 4 」では、フランス教育省の教師によるライブレッスンの放送が始まりました。(期間限定)
《無料オンライン学習》
《算数の授業》
《計算方法の解説》
例えば、
CP〜CE1の授業:毎週月曜日〜金曜日、午前9時〜午前10時まで・・・読書30分/数学30分
または、午後4時から8〜12歳に人気の映像コンテンツが無料で観覧する事が可能です。
我が家の息子も参加させています!(半強制。苦笑)
教育プログラムに基づき、子供達が楽しく面白い授業内容で理解を深めてくれる事を目指しているのだとか。
※もし、見逃した場合は「Lumni」のサイトから観覧する事が可能
●対象年齢:幼稚園〜小学生
●主な特徴:・各学年に沿ったカリキュラムが用意され、テレビチャンネルやラジオで放送されたコンテンツを無料で閲覧する事ができる教育に特化したプラットフォーム
・幅広い教育リソース(世界中で繋がるコミュニティネットワーク)を提供してくれるので、自宅学習や長期バカンスに最適
●主な教科:Actualité(今話題のニュース)、Maths(数学)、Français(フランス語)、Histoire(歴史)、 Géographie (地理)、Sciences et technologie(科学と技術)、Arts et culture(芸術と文化)、 Enseignement moral et civique(市民教育と道徳)、Langues vivantes(現代言語)、Education aux médias(メディア教育)など
教育演習に最適な「pepit.be」
「pepit.be(プティット・ビ)」は、2004年にベルギーのMouscron(ムスクロン)で、グラフィックデザイナーと教育の現場で活躍する小学校教諭との共同開発により、デジタル・プラットフォームとして生まれました。
Amazonや楽天市場など、商品サービスや情報を集約した土台になる場所を提供する事によって、市場においてより多くの消費者に利用価値のあるビジネスモデルを配信
元々、小学1年生から中学1年生を対象に開発されましたが、今では幼稚園からシニア層まで幅広い年齢に対応し、フランス語を学びたい人を対象に、学習教材をダウンロードしたり、実際にゲーム感覚で学ぶ事ができます。
実際に子供と一緒にやってみると面白いです!
●対象年齢:幼稚園〜シニア
●主な特徴:・完全無料で教材・問題集などをダウンロードして利用可能
・オンライン、オフライン両方とも利用可能
・わずわらしい広告が表示されないのでスッキリしている
●注意点:利用できるゲームが「Flash」で作成されているため、IOS(アップル製品)でゲームを使用するには「Flash」で作成された要素を読み取ることができるアプリケーションをインストールする必要がある
童話や詩、ドキュメンタリー学習に最適!「Il était une histoire」
「Il était une histoire(イレテ•ユヌ・イストワール/略してIEUH)」は、「MAIF(保険会社)」と「rue des écoles(アトリエ教材や青年向け出版を主に扱う会社)」と共同で制作され、学校支援を行うと共に、オンライン指導サービスを提供しています。
サイト自体も見やすく、100冊以上もある豊富なコンテンツが揃い、特に歴史や詩など、学びやすいカリキュラムを幼稚園児を始め、保護者、教師など学校関係者がパーソナライズ(個々に合わせ最適化)されたサービスを気軽に閲覧する事ができる、デジタル・オンライン図書館を目指しています。
※但し、特定のサイトへのアクセスする場合は、事前に個人アクセスコードを取得するための登録が必要
●対象年齢:幼稚園〜小学生
●主な特徴:・100冊以上もある豊富なコンテンツが揃う、デジタル・オンライン図書館
・登録は無料。特定のサイトを閲覧する場合は、事前登録が必要
ゲーム感覚で身につく数学の練習に「calculul@TICE」
「calculul@TICE(カルキュラティス)」は、「ICTE」と「Nord department (Lille academy)」の数学チームが中心となり運営している無料のデジタル・リソース(数学に特化した情報を集約・蓄積したシステムサービス)です。
数学(算数)を学ぶ学生向けに、定期的なトレーニングを促進し、ゲーム感覚で問題を解く事ができます。
アプリをダウンロードすれば、いつでも好きな時に学習する事が可能です。
●対象年齢:小学1年生〜中学1年生
●主な特徴:無料で遊びながら数学の勉強ができる
子供向けニュースなら「1jour 1actu」
「1jour 1actu(アンジョー・アンアクチュ)」は、読み・書きの力が付いてくる8歳頃から最適な子供のためのニュースサイトです。
日々、日常で起きている事、政治や環境問題など、大人のニュースを簡単な言葉で翻訳して解説しているのが特徴です。
●対象年齢:8歳〜
●主な特徴:子供向けニュースサイト
遊びココロを刺激!ゲーム感覚で学べる「logiciel educatif」
「logiciel educatif(ロジシェル・エデュカティフ)」は、教師と専門のトレーナーによって、幼稚園から小学生を対象に、子供達が楽しみながら「遊び心を刺激する設計」を目的に開発されました。
子供達が分かりやすく学習するために工夫され、教育のノウハウを基盤にしたフラッシュゲームを提供し、多くの生徒達を支援する事を目指した無料の教育ソフトウェアです。
ゲームの内容は、常に教師や親、子供からのフィードバックに応じて更新され、ゲームには説明書や教育用シート、演習シートなどが付いています。※一部を除く
●対象年齢:幼稚園〜中学1年生
●主な特徴:・無料で学べ、遊びココロと教育をミックスした、学校教育、家庭学習に役立つゲームが満載
幼稚園児必見!可愛いキャラいっぱいの「Comptines TV」
「Comptines TV(コンプティネ・テーヴェー)」は、種類豊富な童謡が揃い、子供以外にも子供を預かってくれる祖父母など、両親以外の年代でも一緒に楽しめる(老若男女向けの)コンテンツもあり、歌や詩などリズムに合わせて、可愛い&面白いキャラクターのイラストと一緒に教養も身につきます。
●対象年齢:5歳〜小学生(祖父母)
●主な特徴:子供が好きな、可愛いキャラクターが豊富な童謡、歌、詩などが無料で閲覧可能
アイデアの宝庫「hugo l’escargot」
「hugo l’escargot(ウゴー・レスカルゴ)」は、幼稚園から小学生の比較的低学年向きのサイトで、歌、ゲーム、工作など、分かりやすい動画付きで解説されているモノもあり、子供と一緒に遊びながら、楽しむためのヒントになる豊富なアイデアの宝庫です。
特に、お誕生日会を主催する時に役立つ、各種カードや招待状、各種パーティーを準備するために、簡単に印刷して利用する事ができるアイデアが満載です。
それから、無料オンラインゲーム(アクション、アーケード、スポーツ、カード、レース、パズルやプラットフォームゲームなど)や子供が好きな塗り絵をダウンロードできるので、学校を始め、大人が子供と楽しみながら学べる自宅学習にも役立ちます。
●対象年齢:幼稚園から小学生(大人も一緒に)
●主な特徴:お誕生日、イベント、余暇の暇つぶしなどに活躍してくれるアイデアが満載
本当は教えたくない!?フランス語を学ぶ人・教える人に役立つ「Le Point du FLE」
「Le Point du FLE(ル・ポワント・デュ・フレ)」は、教育者が利用する授業ツールを始め、フランス語を学ぶ学生や外国人など、すべての言語習得を目指す人に最適な、12,900以上のオンライン学習・教材など、豊富に閲覧する事ができるフランス語学習に特化したプラットフォームです。
特に英語とフランス語を同時に習得する人、英語はなんとなく分かるけど、フランス語をもっと学びたい外国人にも分かりやすい例文・例題があり、音声会話付きなので、教科書を読むよりもさらに実践的なフランス語を身につける事ができます。
●対象者:ネイティブなフランス語を身に付けたい人
●主な特徴:短い例文や問題集が沢山あり、音声会話付きなので、目で見て、聞いて、話す。そして、読んで書く。などの、実践的にフランス語を身につけるために役立つ
【番外編】障害を持っている子供の支援情報なら「enfant different」
「enfant different(アンファン・ディフェラント)」は、1989年に障害を持つ子供の親たちによってリヨンで設立された「Une Souris Verte」(1901年の法律に基づく非営利団体)のプロジェクトの一つであり、2003年にサービスを開始しました。
障害のある子供たちの日常生活をテーマにしたリソースサイトなので今回は「番外編」にしましたが、実際に息子の幼稚園時代、そして今でも、軽度の発達障害のお友達がクラスにいます。
フランスでは発達障害の子供を専門にみる事ができる学校や教師の数が足りないため、特に幼稚園、小学生の学力格差が出始めるまで、健常者と同じクラスで学ぶ事があります。
そのため、少しでも発達障害の子供と自分の子供が一緒に生活をする上で、周りの大人が理解してあげなければいけない事が多々あります。
実際に、ハーフの息子がお友達の言語障害をバカにする意見があった時、旦那と一緒に話し合った事があります。
言葉がうまく伝えられない子供は、手が出ます。
(息子自身も通常の子供より、言葉の遅れがあり、かんしゃくが酷かった経験あり)
「子供の障害」について少しでも理解を深める事ができ、障害のない子供の両親でも参考になるサイトです。
●対象者:障害のある子供をお持ちの両親・家族向き
●主な特徴:子どもの発達障害や慢性的な病気に悩まされている保護者や家族に役立つ情報・学習支援サービスが満載で悩める人の道しるべになるサイト
あとがき
今回、長引く臨時休校と外出禁止令のため、息子の担任から、勧められたオンライン授業や学習の数々。
その中でも、見やすかったり、使いやすそうなサイトをピックアップしたので、フランスに住む幼稚園〜小学生を対象にしたサイトのご紹介が多いのですが、仕事や駐在で日本に住むフランス人、日仏、フランス語初心者の方にも最適な教材が揃っています。
そして、フランス語を勉強する初心者にもオススメなサイトを選びました。
実際に、外国人を受け入れている語学学校、(特に)私立の語学学校は教科書や学習ドリルを購入させられますが、教科書通りのカリキュラムに沿った授業よりも、先生が用意した紙のプリントを利用する事が多かったりします。(もちろん学校の先生による)
また、フランスのOFII(オフィル/移民局)やPôle emploi(ポール・アンプロワ/職業安定所)から紹介してもらえる無料のフランス語講座は、基本的に教科書はなく、担任の教師が事前に用意してくれた問題集などを解いていく授業が多いです。(実際のフランスの学校に近い)
その時に役立つのが、上記でご紹介したオンライン学習や教材をダウンロードできたり、閲覧できたり、ゲーム感覚で学べるサイトです。
フランス語教育のヒントになれば幸いです!