Bonjour〜!!
12月に入り、ヨーロッパは1年で一番活気のある「Noël(ノエル/クリスマス)」を心待ちにする人たちで溢れます。
でも、今年は11月の半ば頃からフランス政府に対する過激な「黄色いベスト運動(gilets jaunes ジレ・ジョーヌ)」と呼ばれるデモがフランス全土で長期的に起こり、市民生活にも悪影響が続く毎日で、毎年恒例の素敵な「ノエル ※以後クリスマスと表記」のイルミネーションやデコレーション、プレゼント探しをする大人たちの光景とは、また一味違った光景が続いています。
でも、毎年恒例のヨーロッパのクリスマスには、日本人の知らないヨーロッパ人の常識が盛りだくさんです。
そこで、今回は、多くのヨーロッパ(クリスチャン)の一番の大切な行事「ノエル」についてご紹介します。
まずはじめに・・・
日本でも至る所でクリスマスカラーに施された、デコレーションやイルミネーション、そしてクリスマスソングが街中から聞こえる様になると、一層クリスマスが待ち遠しくなりますが、(ぶっちゃけ)クリスマスは元々、クリスチャンの伝統行事であって、仏教徒の日本では関係の無いイベントです。
でも、いつしか時は流れ、宗教的な意味のイベントではなく、国民的商業イベント、年末のお金稼ぎイベントとしてクリスマスが定着 しているのが今の日本です。
薄々分かっていてもちゃっかり、便乗して他国の宗教イベントも上手く取り入れる日本のメディア戦略、購買戦略など商業イベント色の強いクリスマスは、フランスに住み、本当のヨーロッパのクリスマスを知って、ちょっと恥ずかしい思いになる時があります。
それは、
クリスマス=恋人たちがディナーを楽しみながらプレゼントを贈り合う日。
っと、完全に日本の広告戦略にどっぷり浸かっていたから。
でも、本当のヨーロッパのクリスマスはみんな「家族と過ごす日」です。
この日は、街中のお店が休業、もしくは早々に閉店し、家族での晩餐を楽しみます。
そもそも、クリスマスとは何なのか?
日本でも同じみな「Xmas(クリスマス)」。
正式名は、クリスマス(英: Christmas)ですが、フランスでは、Noël(ノエル)と言い、
「イエス・キリストの誕生を祝うお祭り」です。
※イエス・キリストが誕生した日ではなく「キリストの誕生を記念する日」、キリストが天から降りてきた。という「降誕祭」になります。
この12月24、25日前後は学校や会社が「Vacances de Noël(バカンス・ド・ノエル)」のお休みになり、そのまま年を越します。
すべてのお店が閉まる訳ではありませんが、早々にどこのお店も閉まり、ほとんどのお店が25日は休業になります。
日本の様にクリスマスイベントで街の中が活気溢れる事もなく、レストラン営業しているお店も少なくなり、足早にお家へ帰る人ばかりです。
そして、基本的には離れて暮らしていた家族が一斉に集まる日でもあります。(日本の年越し、お正月の様なイメージです)
だから、特にクリスマスのメインでもある25日は街中が静寂な面持ちになります。
クリスマスディナーのメインは七面鳥
フランスへ来てから、クリスマスの時期は必ず家族でお祝いをする事が当たり前になり、11月の終わりからプレゼント探しに翻弄するのですが、クリスマスを開催するメインのお家(だいたい実家)のママンはプレゼント探しと並行して、クリスマスのおもてなし料理について思考を巡らします。
フランスではクリスマスディナーの定番は「七面鳥 (chapon)」です。
多民族国家のフランスなのでご家庭によって定番があると思いますが、多くのヨーロッパではクリスマスと言ったら、メインは「七面鳥」を食すのが習わしだと言われます。
・前菜:生牡蠣、フォアグラ、魚介類
・メイン:七面鳥
・デザート:bûche de Noël(ビュッシュ・ド・ノエル)※ビュッシュは「木、丸太」を指し、丸太や切り株のカタチをしているクリスマスケーキ
我が家は毎年2日続けて家族やお友達家族との晩餐が多いので、24日のイヴのメイン料理は魚料理(サーモンかすずき)が定番になっています。
日本に住んでいた時は、鶏モモの骨付肉を食べていましたが、丸鶏の中でもヨーロッパでは「七面鳥」が食卓を盛り上げるメイン料理です。
我が旦那のママンは、この定番「七面鳥」の中に詰めるモノを変えたり、付け合わせを変えたり。と、いろいろなレパートリーがある事を教えてくれます。
ただ、絶対的に「七面鳥」を食べなければいけ無い訳ではないのでこれも、ご家庭の集まる人数や地域によって人それぞれです。
ただ共通して言えるのは、
っと、いうのが大前提です。
●メイン料理は「七面鳥」を食す
●普段よりも特別な伝統料理を食す
●旬な食材を使ったノエル料理を食す
●生牡蠣、フォアグラ、鴨肉、子牛、オマール海老など1年で1番贅沢な食が並ぶ
クリスマスプレゼントは一人一つでは無い
日本だとクリスマスプレゼントは一人一つ。
人数の多い家族だと一家族に一つ。
もしくは、子供だけにプレゼント。
そして、何よりも親が子どもにプレゼントをする。
が、定番だと思っていましたが、家族で集まるヨーロッパのクリスマスは、社会人になり、稼ぎがある場合、子供も親にプレゼントをするし、一人に一つが当たり前ではなので、家族代表者が両親、兄弟姉妹、友達家族へ・・・など、ざっくりした感じではなく、一人に一つのプレゼントが当たり前なので、どこのお家もツリーの下に並べられるプレゼントはとても多いです。
だから、私も各家族やお友達にプレゼントをします。
ただ、(学生など)自分の稼ぎがない場合、家族がいっぱいいて、予算的に大変な場合など、一人一人のプレゼント予算も限られるので、希望のプレゼントが高額な場合は旦那とお金を出し合ってプレゼントをする時もあります。
逆に、
っと、つぶやいたら義理兄から旦那と私宛にプレゼントされた事もあります。
そんな風に一人に支払うプレゼント予算がそれぞれあり、その予算内のプレゼント探しをします。
だから、私たちも相手が欲しいモノと予算を確認しながら希望のプレゼントを探します。
特に子どもへのプレゼントは爆買いをする人が多いのも特徴です。
●一人に一つづつのプレゼントが定番
●予算内であればいくつもプレゼントを買うのが定番
●たくさんのプレゼントを開ける楽しみが大切
懐が緩むクリスマスプレゼント商戦 〜爆買い〜
っと、言われる堅実派のフランス人でも財布の紐が緩む年末のクリスマス。
でも、どこのご家庭もクリスマスプレゼントに当てられる予算はあるので、如何に安く、子どもが望むプレゼントを購入するのかで頭を悩ませます。
そんな親の懐事情を上手く購買意欲へ駆り立てるイベントが増える時期でもあるので、計画的に上手くプレゼントを購入する人が多いのもフランス人の特徴でもあります。
それが、11月の終わりに開催される「Black Friday(ブラック・フライデー)」というイベントで街中が早めのクリスマスプレゼント探しに出かける人でどこのお店も賑わいます。
フランスは国が定めたsolde(バーゲンセール)の開催時期があるので、(年に2回、夏と冬)勝手に安売りなどが法律上認められていないため、日本よりもsolde時期を狙って年間の計画を立てる堅実派のフランス人がとても多いです。
そして、いろいろなお店でクリスマスのための企画が催されています。
最近では、ネットで気軽に店頭商品よりもお安く購入出来るので、実物を店頭で手に取り確認して、実際にはネットで購入・・・。
そんな世の中の物流を打破するかの様に店頭販売店はいろいろな企画を考えています。
我が家の近所のスーパーでは、毎年恒例になっている?
子供のおもちゃだけ50%OFFという、何とも親の懐事情をがっちり刺激してくれるイベントを行うお店があり、朝から人、人、人ですごい事になります。
今年は珍しく旦那が朝から気合が入っていたので、OPENの8時半から遅刻気味で来場しましたが、すでに欲しい商品は店頭から消え去っていました。(一番人気はやっぱり有名玩具メーカーの商品!)
そんな、イベント事を上手く利用してプレゼント探しをする大人達にとってもクリスマスは1年を締めくくる大きな行事です。
男子に人気は鉄板のレゴブロック!!
女子に人気はL.O.L.サプライズ!!
●事前にsoldeなどのイベント情報のリサーチをしておく
●店頭販売、ネット販売など、欲しいプレゼントが決まっていればお得なイベント時に早めに用意をする
老若男女欲しいプレゼントは事前にリストアップし、ハッキリ何が希望かを提示する潔さがある
日本と違うところで、プレゼントはお気持ち程度。的な感覚では無い事をフランスのクリスマスで思い知ったのですが、もちろん、義理母やお友達たちは、
これが、欲しい!
っとは具体的に言ってくれないので、何をプレゼントしたら良いのか毎年迷いますが、義理兄は事前に欲しいモノを提示してくるので、義理兄自身に購入してもらいお金をあげる事もあります。
だから、クリスマス当日に初めて私たちからのプレゼントを知る。っという絶対に欲しいモノしか貰わない合理的なフランス人らしい義理兄のプレゼント攻略法を垣間見る事が出来ます。(苦笑)
でも、年を追う毎にこの義理兄戦法は大切な事だと気付きました。
貰って嬉しくないモノだと申し訳ないけれどお金の無駄・・・。
そんな風に思えてしまう程のプレゼントの多さなので、
っと、自己主張の大切さをクリスマスプレゼントで学びました。
それでも、みんなから、何が欲しいのかを聞かれても物欲がないお年頃になってきて、なかなか欲しいモノを提示出来ない事も多いので困っています・・・。
そんな悩める私ですが、
ここ数年、義理母が人にあげる際の外さないプレゼント探しが、なぜ上手いのかが分かって来ました。
それは、コミュ力が高いフランス人の義理母なので、クリスマス前に良く一緒に買い物に付き合わされます。
その時に、私の好きな色、物、ブランドなどを良く見ているので、人の好みを覚えて、外さないプレゼントを選ぶため、欲しいと望んでいなかったモノでも、何を頂いても外れた物がありません。
そして最近、プレゼント探しに疲れた時、プレゼントをしても、自分たちが頂いても無難なのが、やっぱり現金!!
または、欲しい物を提示する際に値段的にも無難な化粧品など消耗品や大型店で大抵扱いのある、「CARTE CADEAU(カルト・カド)」と言う、お店のチャージ式プレゼントカード!
初めにプレゼントしたい店舗でカードに金額をチャージしておき、プレゼントされた側がその金額分、お店の商品を購入できるシステム
が、一番無難だと気付きました。
ただ、ツリーの下に並べられたプレゼントを開ける楽しみが大切なので、カタチあるプレゼントを選びたがるフレンチマダム達は、この1年に1度のクリスマスプレゼント探しをとても楽しんでいる様です。
でも毎年、とてもお金がかかる行事でもあるので、近年は小さい家族間で済ませたり、あまりお金をかけずに済ませるお家も多いのだとか。
日本人の私は・・・毎年お疲れ気味になる時期でもあります。(爆)
●欲しい物は事前に下調べして、主張した方が良い
●事前にノエル予算を算出しておく
●プレゼント予算平均例:《子供》10〜100€/《大人》:30〜100€
子供達が欲しいプレゼントはしっかりアピールするシステムがある
毎年恒例なのが、クリスマス商戦のおもちゃの広告はどこの企業も力を入れるので、街の至るところで、プレゼントの広告を目にする様になります。
そして、お店に行けば一冊の本に売り出し中のおもちゃ専用の広告が目に付きます。
そして、我が息子の幼稚園では(各学校によって違う)園内の授業で「La liste du Papa Noël」という、パパノエル(サンタクロース)に欲しいプレゼントをおねだりするリストを作る授業があったりするのですが、日本人を代表して言わせて頂くと・・・
すっごい、大きなお世話!!
っと、常々思っています・・・
でも、意思疎通が出来る年齢に成長する過程で、物事をハッキリ言うフランス人の子供は、自分が望まないプレゼントをもらうとすっごい態度にも言葉にも表す様になります。
だから、親は少しでも予算内であれば、子供が望むモノをプレゼントしてあげたいと頑張ります。
片や欲しい物はもらえるのが当たり前だと思わない様に育った私にとって、子供が欲しがる高額商品を横目に、
こんなの・・・?
っと、言うモノでも、
しょうがないよね。
はぁ?
何言ってるのこんなの大きくて無理!
値段が可愛くなくて無理!!
無理、無理、無理!!!でしょ!
っと、言うモノでも普段、堅実的なフランス人家庭ではこの時ばかりはお財布の紐が緩んでしまうご家庭も多いです。
そんな我が家族達も欲しい物は買ってあげたい派の人達なので、
っと、とツッコまれますが私は真剣に思ってしまいます。
●欲しいモノリストは事前に用意
●欲しいモノリストから予算を検討していざ!購入!!
●店頭販売、ネット販売、いろいろな購入ルートをリサーチ
パパノエル(サンタさん)はいる。っという子供への暗示がすごい
ヨーロッパではお家に「Sapin de Noël(クリスマスツリー)」を飾る頃、子供達にある暗示をかけます。
早いところだと11月頃からお家の片隅に現れる「Sapin de Noël(サパン・ドゥ・ノエル)」の装飾を楽しみながら、子供達には、今か、今かとプレゼントが届く日を心待ちにワクワクしながら待つ様に促します。
そして、24日のイヴから日付が変わる25日の朝、子供達が目を覚ます前に親はこっそりとプレゼントをツリーの下に並べます。
日本だと早い段階で、
サンタさんはお父さん。
っと、ネタばらしをしますが、フランスでは子供達を驚かす演出を毎年行います。
だいたい、小学校の低学年までは本当にパパノエルはいるものだと信じ込ませるために親の暗示は続きます。
だから、今回、近所のスーパーで購入したおもちゃは一度息子の目に触れているので、もうクリスマスプレゼントとは見なしません。(悲)
子供へのプレゼント=子供の前では購入してはいけない
絶対に子供には内緒にするのが暗黙のルールです。
だから、フランスでは日本人にはビックリなお国柄事情があります。
【演出例】
ちなみ、今年は・・・
まだ字が書けないのでパパと一緒にちゃっかりおねだりをしていました。
そして、演出好きな我が息子のパパは、パパノエル宛に住所まで書き(フェイク!)息子を信じ込ませていました!
スゴっ!!
これ、子供に甘い我が旦那だけではなく、おもちゃを買い求める親の手には切り貼りしたおもちゃのリストを握りしめ、おもちゃ探しをしている親の多さにビビりました。
●パパノエルはいるんだよ!の暗示は子供が気づくまで(大体、小学生までは続く)
●クリスマスを楽しむ演出は家族ぐるみで計画
あとがき
上記写真のケーキの様に日本でお馴染みの生クリームたっぷりのスポンジケーキはヨーロッパではほとんど食しません。
だから逆に食べたくなる懐かしい味になっています。
そんな、日本とは違った本当のクリスマス事情がフランスにはあります。
子供への愛情が半端ないヨーロッパの人たち。
遠く離れて暮らしていても1年に1度、クリスマスは家族で集まるのが定番なヨーロッパの人たち。
国を挙げてこの日は誰もが家族で過ごせる様になっている事も家族を大切に思うヨーロッパの人たちならではです。
そんな、家族みんなから愛される息子は本当に幸せ者だと思います。
ただ、これが世界中で当たり前ではない事。
いつかは親の有り難みを感じてくれる日が来るのか・・・。
今はまだ、欲しいモノが貰えなかった時、
っと、言う言葉を信じているので、私達親のクリスマス演出はまだまだ続きます・・・。